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施設長インタビュー

Facility manager Interview

野田ライフケアセンター施設長
冨岡 一幸(とみおか かずゆき)

  • 昭和52年:日本大学医学部卒業
  • 昭和61年:小張病院外科医長として赴任
  • 平成元年:小張病院外科部長に就任
  • 平成5年:小張総合病院副院長に就任
  • 平成8年:野田ライフケアセンター理事長を兼任
  • 平成15年:小張総合クリニック院長を兼任
  • 平成18年:小張総合病院院長に就任
  • 平成23年:小張総合病院名誉院長に就任
  • 令和2年7月:野田ライフケアセンター施設長に就任
  • 趣味:ギター、スポーツ鑑賞

心の医療を

野田ライフケアセンター
施設長就任

市原 昨年7月に施設長として就任されてから約半年経過しました。率直なご感想をお聞かせください。

冨岡 医師になって40数年、外科医一筋でやってきたので医療畑しか実はわからない。医療と介護では全く様子が違うなと思います。今現在半年経っても右も左も分からず、右往左往している状況です。

市原 やはり病院と施設では診療の違いがあるのでしょうか。

冨岡 私が今までやってきた仕事の内容は外科医ですから、外来診療それから手術もあります。特に外科という職種はチーム医療ですので、一人で何かするということじゃなくて色んな方とチームを組んで一つになって仕事をする。こちらの介護に移って感じたことは、医師一人で他に色んな多職種の方が仕事に関わってくる。同じチームに変わりはないが、多少仕事の内容が医療とは異なるなと感じますね。

市原 病院の時からチームという意識をお持ちなので、施設に来てからも先頭に立って皆を奮起させるリーダーシップを発揮されているのですね。

冨岡 それは医療・介護問わず、色んな業種・職種がありますけども、一人では何もできない。皆の力があってこそ仕事が成し遂げられると思いますね。以前、ラグビーW杯で日本キャプテンのリーチ・マイケルが「ワンチーム」という言葉を掲げ一つの大きな仕事を成し遂げました。一枚岩になって取り組む必要があると思う。

市原 我々もワンチームとなって地域に選ばれる施設になっていきたいですね。そのような中、我々介護老人保健施設に必要なことは何でしょうか。

冨岡 当法人の基本理念である「人権を尊重する」という言葉が述べられていますけども、利用者様、関係者の皆様の人権を尊重する。さらに心をこめた介護が必要だと思いますね。

市原 真摯に利用者様の人権を尊重し、心をこめて接するということが地域に選ばれる施設につながっていくということですね。

休日はスポーツジム

市原 休日は何をして過ごしていますか。

冨岡 今はコロナ禍で中々外出できませんが、流行する前は春・秋は東京六大学野球を見に行ったり、夏の甲子園の予選大会を見に神宮球場に足を運んだりと野球観戦ですね。また、妻と朝からスポーツジムに行って健康な肉体作りに励んでいます。大体夕方近くに帰ってきて、妻の料理を食べながら一杯やると(笑)。

市原 幸せな一日ですね(笑)。

冨岡 これを幸せといいますか(笑)。あとは妻が忙しい時は外でおいしいものを食べに行ったりね。

市原 奥様を大事にされているのですね。

冨岡 大事にしているというか、二人で飲むのが楽しいんですよね。

市原 夫婦でお酒を楽しく飲めるというのはいいですね。スポーツジムの話が出ましたが、施設でもエレベーターを使わずにいつも階段で移動されていますよね。休日でなくとも日々運動というのは心掛けているのですか。

冨岡 ロコモティブシンドロームというものがありますよね。やはり足腰が弱るのは体力の低下につながる。体力の低下とともに精神力も低下すると思うので、そうならないように運動を意識している。

市原 医師である自らが予防を意識しているわけですね。

冨岡 普段が不摂生ですからね(笑)。

市原 奥様とおいしくお酒を飲むためにもということですかね(笑)。先生は身体も精神力も若々しいのですが、医師として心掛けていることはありますか。

根幹にあるのは「心の医療」

冨岡 私は医師という職業に就く前に、一社会人であるというのがポリシーでしてね。特に人生の師として仰ぐ小張淑男前理事長の教えで「心の医療」というものがあり、その言葉に非常に賛同して、それが医師として一番に志していることです。

市原 先生の診察を拝見していると、利用者様の手を握ったり世間話を交えたりしながら傾聴されている姿が印象的です。こういった点が意識されている「心の医療」なのでしょうか。

冨岡 昨今、私も全て完璧にしているわけじゃありませんけどね。電子カルテ化されたことで患者さんと向き合って診療するということが薄くなってきていると思います。医学の進歩に伴い、医療機材に頼ってきているような雰囲気が無きにしも非ず。患者さんに視触診をしてスキンシップで診療をすること、そういうスタイルが薄くなってきているんじゃないかな。身体の診察をするときには聴診器をあてるとか、手をあてるとかそういうことを心がけています。

市原 先生だと笑顔を見せたり、話をしてくださる利用者様もいますよね。

市原 医師として心がけていることに通ずるかもしれませんが、先生の好きな言葉、座右の銘などはありますか。

冨岡 座右の銘ですね。私の外科医を目指す一つのきっかけになったのは教室の教授でしたけども、その先生の言葉で「鬼手仏心(きしゅぶっしん)」というものがあります。鬼の手に仏の心と書くのですが、手術の際に身体を切り開く様が鬼のように残酷に思えるが、そこには患者を救うための慈悲心があるという言葉です。

市原 なるほど。この座右の銘が先生の今の心の医療に繋がっているということですね。

ライフケアセンターの展望

市原 最後に、今後この野田ライフケアセンターをどのような施設にしたいかというビジョンはありますか。

冨岡 施設長という責任のある立場で運営させていただくためには利用者様に信頼されてかつ、安心して安全な施設にしていきたいと思います。そのためにはお世話する職員の皆さんが同じ志を持って一丸となって取り組んでいくというのが大事だと思います。その中に三意の心という言葉があるんですけども、仕事には情熱を持って取り組む「熱意」。2番目には心をこめて仕事を行う「誠意」ですね。そこに一人一人の職員が「創意」工夫をして自分の仕事をレベルアップしていく。そういう創意があればよりよい施設になるんじゃないかと思います。

市原 ワンチームということですね。私もその一員として施設の力になれるよう努めたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

冨岡こちらこそ。お手柔らかに(笑)。

~インタビュー後~

駅伝の話をしていると…

市原:先生ってチームスポーツがお好きなんですか。

冨岡:圧倒的にそうだね(笑)。個人もね、決して嫌いじゃないんだけどね。ロンドンのオリンピックの時に水泳の松田選手が「(北島)康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない。」と結束してリレーでメダルを獲得した。ああいうのが好き。体操の内村航平も「個人よりも団体で優勝した時の方が嬉しい。」っていうのがあったし、日の丸を背負いみんなで頑張るっていう姿に心を惹かれ感銘を受ける。

市原:だから仕事でもチームプレーっていう発言を多くされるんですね。

冨岡:だってさ、野球だって4番バッター並べたチームなんてちっとも面白くないでしょ。色んな人を適材適所に配置するから強くなるし面白いチームができる。体力的に十分じゃない人がいたとしても、それはその人なりの役割があればそこで発揮してもらえばいい。そういう人がいなければ仕事にならないんだから。

(インタビュアー:市原)

※このインタビューは2020年12月に行われたものです。

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